土色の街
飛行機から見た海が
変わらない青さで目の前に広がってたから
窓から見えた街だけが
止まって動かないのが不思議だったんだ
僕の住んでるとこから遠い街
その隔たりは距離だけなんだろうか
積み重ねた時間を一気に
流された時にあなたはいったい何を思ったのだろう
そんな事さえ気づかなかった僕は
知らず知らず土色の街から目をそらしてしまう
そこから逃げる事ができないあなたに
かける言葉探すだけの自分がもどかしい
テレビからの風景は
身の毛がよだつ自然の姿だったけど
あなたの大事な暮らしが
跡形もないとは思いたくなかったんだ
だから不思議だった土色の街
暮らしの色が残ってると勝手に願ってた
誰もが目を覆うばかりの世界から
背けない時に僕ならいったい何ができるだろう
人は確かに無力なのかもしれない
途方もない道だけど歩くあなたがまぶしい
照らす陽がいつかこの街をあたたかく
新しい色に染める事を信じてる
2012年5月頃作成。東日本大震災後の2011年4月に仕事で仙台に行った折、復旧したばかりの仙台空港から仙台市街へ向かうバスの中からの風景。その凄まじい風景が頭から離れず、一年後に作った曲。