ノスタルジア
若い頃両親が移ったこの街には
新しい家族で溢れていたらしい
白い団地の中の狭い公園には
競うように大きな声が響いていた
小さい子供達は笑い声だけでなく
泣きじゃくるそんなことはいつもの事
悪い事すれば大人達の叱る声
あの怖いおっちゃんが懐かしくてたまらない
綺麗な緑もそこから見えなくて
小川のせせらぎも聞こえないけれど
生まれ育った街をふるさとって呼ぶのなら
この街なのは紛れもなく疑いもない
急いでこの街を離れていったあいつが
新しい家族連れて帰ってきたってね
おぼつかない足取りで歩く子供の手を
お父さんでなくおじいちゃんが引いてた
灰色の団地と色あせたすべり台
思い出と引き換えにくすんでしまったかも
この街が生まれ変わる便りを耳にした夜
さみしくて時の流れ少し恨んだんだ
大自然に満ち足りた場所でないけれど
ここで過ごした日々が自然だったんだ
失いたくない街をふるさとって呼ぶのなら
この街なのは紛れもなく疑いもない
2017年10月頃作成。生まれ育った団地の街。その街が無くなってしまう事を耳にした時、その風景と思い出を残したくて作った。この曲を作って1年半後に、あの団地の街はなくなった。